2025年02月07日
西国三十三所巡礼の26番札所「法華山 一乗寺」

「観音霊験記 西国巡礼」
西国三十三所巡礼の第26番札所の「法華山 一乗寺」は播磨平野の中央部、加西市の
山間地域にあるお寺です。
播州清水寺と同様に法道上人によって開山されたお寺とされ、播州地域で活躍して
いた上人の評判が都まで広まり、それを受けた天皇の命によって一乗寺が建てられた
との縁起が伝わっていますが、この時点で清水寺の創建とかなり時期に食い違いが
出てしまいます。
一乗寺には8世紀以前のものと思われる金銅仏が寺宝として伝わっているほか、境内
周辺には奈良時代まで時代を遡る石仏や廃寺跡が存在するなど、一乗寺とその周辺は
奈良時代から仏教文化が栄えた地域であったことには間違いがないので、法道上人と
いう人物とその事績は、あるいは周辺地域に仏教を広めた人物の事績が大きく伝わった
結果なのかもしれません。
境内には多くの文化財が伝わっており、中でも境内の三重塔と、所蔵している
「絹本著色聖徳太子及び天台高僧像」は国宝に指定されています。
絹本著色聖徳太子及び天台高僧像は天台宗に関するインド、中国、日本の高僧9名に
聖徳太子像を加えた10幅で構成されたもので、平安時代に描かれながら美しい彩色が
残されているのが特徴です。
特に最澄を描いた一幅は、教科書で最澄を紹介する際などで多く使われ、目にする機会も
多いものです。
現在は国内の博物館に寄託されていますが、こうした寺宝がまとまって残っていることは
極めて貴重なものです。
Posted by 鈴木@SHOPS案内人 at 08:00│Comments(0)
│西国三十三所観音霊場