外題「弁天娘女男白浪・稲生川勢揃いの場」

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1月20日に開催された『第30回雄踏歌舞伎保存会「万人講」定期』の様子をお伝え
してます。

外題「弁天娘女男白浪・稲生川勢揃いの場」

舞台上の粋な五人衆、名口上が始まります!

外題「弁天娘女男白浪・稲生川勢揃いの場」
(日本駄右衛門役:小学3年生)

問われて名乗るもおこがましいが、産まれは遠州浜松在、十四の年から親に放れ、
身の生業も白浪の沖を越えたる夜働き、盗みはすれど非道はせず、人に情を掛川
から金谷をかけて宿々で、義賊と噂高札に廻る配附の盥越し、危ねえその身の
境界も最早四十に、人間の定めはわずか五十年、六十余州に隠れのねえ賊徒の
首領日本駄右衛門。

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(弁天小僧役:小学3年生)

さてその次は江の島の岩本院の児あがり、ふだん着慣れし振袖から髷も島田に
由井ヶ浜、打ち込む浪にしっぽりと女に化けた美人局、油断のならぬ小娘も
小袋坂に身の破れ、悪い浮名も竜の口土の牢へも二度三度、だんだん越える
鳥居数、八幡様の氏子にて鎌倉無宿と肩書も、島に育ってその名さえ、
弁天小僧菊之助。

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(忠信利平役:小学3年生)

続いて次に控えしは月の武蔵の江戸そだち、幼児の折から手癖が悪く、
抜参りからぐれ出して、旅をかせぎに西国を廻って首尾も吉野山、まぶな
仕事も大峰に足をとめたる奈良の京、碁打と言って寺々や豪家へ入り込み、
盗んだる金が御嶽の罪科は、蹴抜の塔の二重三重、重なる悪事に高飛びなし、
後を隠せし判官の御名前騙りの忠信利平。

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(赤星重三郎役:小学1年生)

その次に列なるは、以前は武家の中小姓、故主のために切り取りも、鈍き刃の
腰越や砥上ヶ原に身の錆を磨ぎなおしても抜き兼ねる、盗み心の深翠り、柳の
都谷七郷、花水橋の切取りから、今牛若と名も高く、忍ぶ姿も人の目に月影ヶ谷
神輿ヶ嶽、今日ぞ命の明け方に消ゆる間近き星月夜、その名も赤星十三郎。

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(南郷力丸役:小学3年生)

どんじりに控えしは、潮風荒き小ゆるぎの磯馴の松の曲りなり、人となったる
浜そだち、仁義の道も白川の夜船へ乗り込む船盗人、波にきらめく稲妻の白刃に
脅す人殺し、背負って立たれぬ罪科は、その身に重き虎ヶ石、悪事千里というから
はどうで終いは木の空と覚悟は予て鴫立沢、しかし哀れは身に知らぬ念仏嫌えな
南郷力丸。



役者さんの堂々の演技、名口上に客席から大拍手、おひねりの花が満開です。

※取材協力:雄踏歌舞伎保存会「万人講」


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