知多半島の守護神ガメラ!龍亀大菩薩
知多四国巡り、番外礼所 浄土寺でお参りを済ませ、先達の織田さんより別のお堂
に祀られている龍亀大菩薩について説明がありました。
大海龍亀大菩薩は明治四十二年九月十日に小佐の海岸に上がられました。
身長六尺、幅三尺七寸、重量五十三貫で、甲背には「奉大海龍大神」の六文字が
あり、伊賀上野町谷村佐助他十一名の姓名も記されていました。
この日の朝早く村人・山本長之助が海岸を通行している時、彼方の岸上に怪しき
物を認め、何ものであろうかと近寄れば大亀でした。
大亀の様子は如何にも元気が無く、死に瀕するもののようでした。
山本氏は哀れみ、大亀に「この岸に上がるのも深い縁のあってのことでしょう。
あなたを神として祀り、当村の守護神としましょう」と言いました。
この言葉が大亀に通じたのか、大亀は両手を頭上に挙げ、その姿はあたかも
合掌をしているようであり、非常に喜んでいるようでした。
山本氏はこのことを早速、浄土寺の和尚に報告しました。
和尚は驚いて、世にも不思議なことがあるのもじゃ、昨夜にて三夜連続、同じ夢
を見ている。夢の中で、霊亀が白髪の老人となって、吾にこう告げるのじゃ。
「余は長く海中に棲息する大亀であるが、もはや近く天寿が尽きようとしている。
もし吾を神に祀れば、誓って諸願成就を実現しよう。夢疑うことがないように」
和尚は村人を集め、海岸に行き、霊亀に「今より汝を神にあがめて我境内に奉安
しよう」と言うと、霊亀はさも嬉しそうに眠るが如く、永眠しました。
和尚は村人と共に境内御神木であるケヤキの下に「龍神もろともにこのところへ
鎮め奉る」と懇ろに埋葬し、大海龍亀大菩薩と称し奉り、神酒供養物を献じ、
おごそかに供養しました。