西国三十三所巡礼の第21番札所「菩提山 穴太寺」
「観音霊験記 西国巡礼」
西国三十三所巡礼の第21番札所の「菩提山 穴太寺」は京都市内からは老の坂を越えた
先、丹波国亀山(亀岡)にあるお寺です。
8世紀前半に開創されたと伝わるほか、本尊の聖観音菩薩は「身代わり観音」の説話も
残されています。
同様の説話が「今昔物語」「扶桑略記」に見られることから、平安時代末期までには
身代わり観音の霊場として人々に認識されていたと思われます。
本尊の仏様は33年に一度のみ公開される秘仏なので、お厨子の向こうからお参りする
ほかありませんが、穴太寺の仏様といえば釈迦涅槃像も注目です。
前回のご開帳は2011年でした。
明治29年(1896)に本堂の天井裏から発見された仏様で、お釈迦様が入滅される様子
を刻んだ仏像ではあるものの、蓮華を枕に用い、布団をかぶって横たわる姿はなんとも
ゆったりしたものです。
病気平癒の功徳があると信仰され、全身撫でられて光っているとても身近な仏様ですが、
衣文の表現などからは鎌倉期の仏像の特徴が感じられます。
800年以上の歴史を持つ仏様を撫でてお参りさせて頂けるのはなんとも不思議な気持ちが
します。
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