2016年01月26日
目の霊山 油山寺

JR袋井駅を基点に遠州三山巡りの旅のはじまりです。
醫王山 油山寺、今から約千三百年前(大宝元年)に行基大士が万民和楽無病息災
を祈念し本尊薬師如来を奉安、開山された真言宗の古刹です。

昔、この山から油が出ていたので通称「あぶらやま」と呼ばれ、十方信徒に尊信
されてきました。

行基大士御開山の後、天平勝宝元年に時の帝孝謙天皇が御眼病のみぎり当油山寺
に御眼病平癒の祈願が下され本尊薬師如来に祈願、るりの滝水を加持し、天皇は
この霊水で御眼を洗浄なされ、ひとえに薬師如来を尊信し玉うところ霊験あらたか
に眼病が御全快し、当山を勅願寺に定められました。

以来千年の今日まで諸病全快、特に目の守護、眼病平癒のお寺として、又、精神的
には「心身安楽」心の病を癒し心眼を開く仏様として深く信仰されております。

又、当山の守護神である軍善坊大権現は、足腰の病に霊験あらたかであるところ
から油山寺は目の仏様、足の神様として日々全国から信者のご祈祷、参拝が後を
絶えません。

行基御作の薬師如来像は秘仏として本堂内陣の厨子に千古そのままに安置され、
軍善坊大権現はその左側にお祀りされております。

爾来、歴代天皇はもとより諸大名の帰依はふかく、なかでも源頼朝公、今川義元公
は堂塔を建立されましたが戦国の兵乱、廃仏毀釈などを経て今日に至りました。

一山境内五十町歩は千古の霊地、山川の美に恵まれ、峰の松風、谷川のせせらぎ
翠岩より落ちる滝の響きは孝謙帝の御世をあらためずご本尊薬師如来をはじめ山内
諸天善神の御霊験、法灯はますます輝きを増し東海の古刹、心の静養安らぎの寺と
して、又、遠州三山のひとつとして古の風情を今に残しております