彼岸とは、日本の雑節の一つで、春分・秋分を中日とし、前後各3日を合わせた
各7日間(1年で計14日間)です。
お彼岸の初日を「彼岸入り」、真ん中の日を「中日」、最終日を「彼岸明け」と
呼びます。
2025年の春彼岸は、「3月17日(月)~3月23日(日)」までの7日間です。
3月17日(月)…春彼岸入り(初日)
3月20日(木・祝) …中日(春分の日)
3月23日(日)…春彼岸明け(最終日)
この期間に行う仏事を彼岸会と呼びます。
俗に、中日に先祖に感謝し、残る6日は、悟りの境地に達するのに必要な6つの徳目
「六波羅蜜」を1日に1つずつ修める日とされてます。
お彼岸が全部で7日間設けられているのは、中日はご先祖様の供養に徹し、そのほか
の前後3日間を使ってこの修行を毎日1つずつ実践するためともいわれています。
六波羅蜜は全ての存在に感謝する報恩感謝の精神が基本になっており、お彼岸に
お墓参りをしたりお供えをする行為も、六波羅蜜の修行の一環と言えます。
日本の仏教では、「此岸(しがん)」と「彼岸(ひがん)」という概念があります。
此岸(しがん)…こちら岸。欲や煩悩にまみれた世界(この世)
彼岸(ひがん)…向こう岸。仏の住むお浄土の世界(悟りの世界、あの世)
この此岸と彼岸の間に流れる川のことを「三途の川」と呼びます。
日本最古のお彼岸は、平安時代初期に行われた、無実の罪を訴えて死去した早良親王
の怨霊を鎮めるための祈りの行事だとされています。
その後、「彼岸会」という行事として、春分・秋分を中心とする七日間に開催される
ようになり、江戸時代にかけて年中行事として民衆に定着したとされています。
日本で彼岸に供え物として作られる「ぼたもち」と「おはぎ」は同じもので、これら
の名は、彼岸の頃に咲く牡丹(春)と萩(秋)に由来すると言われてます。